19 Sep – 7 Nov 2015

山田沙奈恵 / Sanae Yamada
さら地に、つぶて / onto a vacant lot

13:00-19:00
日・月・祝日休
Closed on Sun, Mon and Holidays

Opening reception / 17:30 - 20:00, 19 Sep 2015

山田沙奈恵

さらの紙に線を引く。重なって量塊になって線は均される。
意志は全体に溶けて、多さによってその境が忘れられると、ふたたび、さら地があらわれる。

さら地に、つぶてを投げる、投げたつぶては飛んで跳ねて、あたらしい区切りを切って、
そしてそれだけだが、それだけでも、

ふたたびのさら地にふたたびの意志を引く、
意志、わすれる、全体,意志、わすれる、

この展覧会は、2014年1月18日から2月28日まで当ギャラリーにて開催された鈴木孝幸、大和由佳、山田沙奈恵
による三人展「中之条/名古屋」の延長上に位置しています。

以前の言葉のやりとりは書く言葉によるものでしたが、以後、より即興的な言葉を求めて、様々な場所で
直接会って話すことをはじめました。
さらに三人に加え、作家や、演劇を作る人、学芸員など、話を聞いてみたい知人たちのもとへ赴いています。
他人と話すことは、自分の持っている知識から開放され、自分の中にはなかった視点をもたらします。
それは個展の作品に直接影響するとは限りませんが、制作をし生きていく、作家自身の身体や考え方を押し広げ、
間接的に関わってくるはずです。
自分の思考と言語を形式化しないための大事な営みであることは間違いありません。
 
今回三人は、個展の共通のテーマとして「忘れる」というテーマを設けました。
 「忘れる」という事態が生む空白は、別の何かを導き入れたり、取り戻すために行動したり、覚えて
おくための術を模索したりするなど、あらたな試みを引きだす時空間ととらえられます。それは、ひと
と対話することが、意思の交流を通して自然と何かを取り入れ、何かを忘れる、という循環性をもつこ
とにも重なるかもしれません。
 三つの個展はひとつひとつで独立した内容になっています。しかし、連続して見てもらうことにより、
「忘れる」ことがもつ可能性をより深く提示できると考えています。

2015年 4月8日  鈴木孝幸・大和由佳・山田沙奈恵

・鈴木 孝幸 [歩き方を忘れる place/cliff ] 2015年5月9日(土)-6月20日(土)
・大和 由佳 [発話を忘れて <カザルスと母の巣箱>] 2015年6月27日(土)-8月8日(土)
・山田 沙奈恵 [さら地に、つぶて ] 2015年9月19日(土)-11月7日(土)

今回の山田沙奈恵展で三個展連続開催の最後となります。
当初、お知らせしました会期が諸事情で変更になりご迷惑をおかけいたしました。
どうかご了承くださいましてご高覧下さいますようどうぞよろしくお願いいたします。