24 Oct – 19 Dec 2026

Karl Bohrmann
From the Jinno Collection 1992 - 2026

13:00-18:00
日・月・祝日休廊
Closed on Sun, Mon and Holidays

※ 平日は、事前にメールにてご予約をお願いいたします。
※ 土曜日は、ご予約なしでご来廊いただけます。

余白のなかに、世界が立ち上がる

カール・ボアマン(1928–1998)は、ドイツの画家です。ドローイングを軸に、絵画、版画、コラージュ、写真へと表現を広げました。室内や窓、テーブル、人の姿、木々や山など、身近なものをモチーフに、線と色、そして描かれない余白によって、見えるものと見えないもののあいだに揺れる世界を描き出しました。

ボアマンの作品では、形はひとつの姿にとどまりません。線は輪郭を示すと同時に、その外側へにじむ気配となり、具象は静かに抽象へとほどけ、一方、抽象のなかからは、記憶の断片のように、ふたたび何かの姿が浮かび上がる。重ねられた筆致と余白は、確かなものと曖昧なものを、ひとつの画面のなかに共存させています。

今回展示する二点にも、そのまなざしが息づいています。窓辺に広がる山のようなかたちは、風景であると同時に、霧の向こうに残る記憶のようにも見えます。テーブルの上の静物では、わずかな線と形が、そこにあるものの気配を静かに浮かび上がらせます。描かれたものと、描かれずに残されたもの。そのあいだに生まれる余白が、見る人それぞれの記憶や想像を受け入れます。

Gallery HAMは、1992年の開廊時にカール・ボアマンを紹介しました。その出会いから作品は神野公男コレクションへと受け継がれ、今日に至ります。2026年、本展ではそのコレクションから作品を選び、34年を経たいま、ボアマンの仕事にあらためて向き合います。

1992年から2026年へ。

作品に刻まれた時間と、作品を見つめてきた時間。その二つの時間が、いま再びひとつの場所で交わります。

線の向こうに、余白がある。
余白のなかに、記憶がある。
記憶の奥から、世界が静かに立ち上がる。

その広がりを、ぜひHAMでご覧ください。

Gallery HAM 伊藤祥子